暇な歯科医師 よたろうのブログ

ウソやデタラメ、トンデモ歯科医院、歯科医療人を取り上げて批評する大変独善的なブログでございます。

時事通信さん 誤報です

次亜塩素酸水が新型コロナウイルスに有効だと!?

 

今日の朝、pandaさん(@pandajanta1601)から情報提供をいただいた。

経産省が次亜塩素酸水の有効性を評価するとか言ってるよ(ブログ書け)」

 

なんだそりゃ?

しかも経産省

確かに以前のブログで紹介した、生成装置のJIS規格の管轄は経産省である。なので全く無関係とは言えないものの、唐突な感じは拭えない。

厚労省としてはそれどこじゃねーよって感じなのか?)

 

投稿を予定していたブログよりも、速報性を重視してこちらを優先することにした。

まあとにかく順次見ていこう。

 

報道資料

 

medical.jiji.com

「台所洗剤でコロナ消毒可能」

「来月検証試験で確認」

まずタイトルのこの2文、どう読んでも矛盾している。

 

「台所洗剤でコロナ消毒可能か」

なら意味が通じるよね。

 

記事内容を見ると、検証試験の対象となるのは3品目。

台所洗剤すなわち界面活性剤の他に、第4級アンモニウム塩、

そしてお待ちかね、ぼくらの次亜塩素酸水だ。

 

 

yotarou.hatenablog.jp

 

 

yotarou.hatenablog.jp

 

 

経済産業省のHP

 

www.meti.go.jp

経産省ニュースリリースに当該発表があった。

 

以下、全文を抜粋する。

 

新型コロナウイルスの感染拡大に対応し、家庭や職場においてアルコール以外の消毒方法の選択肢を増やすため、独立行政法人製品評価技術基盤機構NITEは、経済産業省の要請に応じ、文献調査等を行ってきました。

本日、これまでの調査結果を踏まえて有識者による検討委員会を開催し、新型コロナウイルスに有効な可能性がある消毒方法として、以下が選定されました。

今後、これらの消毒方法について、NITEにおいて有効性の評価を実施します。検討委員会の意見を聞きながら、補正予算の審議の状況を踏まえて、文献調査、有識者へのヒアリング、ウイルスを用いた実証試験等を行います。

 

 

3品目の有効性に関して、これまで文献検索を行ってきただけであり、有効であるとの結論は出ていないことが読み取れる。

これで時事通信の記事が誤りであったことが確定した。

 

まじめに仕事しろってんだ。

 

さて、次亜塩素酸水にはご丁寧に「電気分解法で生成したもの」との記載がある。

これは次亜塩素酸ナトリウムに酸を加えて調整した次亜塩素酸水溶液と、次亜塩素酸水とを明確に区別するための文言であると思われる。

次亜塩素酸水溶液については、よたろうブログでは2度目の登場、薬剤師のゆい先生こと次亜塩素酸水溶液女、じゃなかった、次亜塩素酸水溶液女こと薬剤師のゆい先生のツイートに詳しいのでご参照願いたい。

 

 

ただ、「電気分解法で生成したもの」という表記だけではボトル詰めしたものが除外されているのか不明である。

 

検証を主導するのは独立行政法人製品評価技術基盤機構NITEだ。

 

NITE(ナイト)

 

さて、NITEのHPを確認してみよう。

www.nite.go.jp

 

NITEでは新型コロナウイルスに対する代替消毒方法の有効性評価に関する検討委員会」を設置したとしている。

添付資料を順次確認していこう。

 

資料1 検討委員会名簿

 

まずは検討委員会のメンバーである。主要なメンバーは以下の通りである。

(資料1)検討委員会名簿  【PDF : 50KB】

f:id:yotarou_lab:20200416131219p:plain

検討委員会メンバー

 

関係団体が2つ入っている点は大いに気になる。

一般社団法人日本電解水協会

jewa.org

HPには、当サイト内の文章・画像などの無断転載・複製はご遠慮ください、とある。

そうおっしゃるのなら従おう。

 

HPの冒頭、一般財団法人北里環境化学センター顧問・元北里研究所基礎研究所所長の小宮山寛機氏へのインタビュー記事が掲載されている。

「酸性電解水(次亜塩素酸水)が新型コロナに効果があることは十分推察できる。」

 

表題の通り、次亜塩素酸水が新型コロナウイルスに対して効果があることが推察できる、とある。

この点は確かに同意する。

 

ただ以下のような文章があった点は見逃せない(転載できないのでよたろう意訳)。

「みんなが触るところは十分に濡れるくらい吹き付ければ消毒できるよ。でもその前に汚染は取り除いてね。」

流石に空間除菌を推奨するような文言はなかったが、、、

 

一方で、次亜塩素酸水溶液については次亜塩素酸水とは別ものであり、その流通に関して懸念する声明を発表している。

次亜塩素酸水は最大限擁護し、次亜塩素酸水溶液には厳しい団体のようである。

 

日本石鹸洗剤工業会

jsda.org

 

特に今回の検討委員会に関する発表はなかった。

 

資料2 委員会設置の趣旨

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委員会設置のねらい

資料自体は表紙を含めて5枚だが、この1枚にその意図が凝縮されているように感じる。

特に最後の一文は、医療従事者が待ち望んでいることではないだろうか。

 

医療機関等に優先的に供給されるべきアルコール消毒液の需要の適切な抑制を図る」

 

あ、なるほど、だから通産省なんだ。

アルコール製剤の生産と流通を司るのは厚労省ではなく通産省の管轄なのだろう。

 

個人的にはこんな検証しなくても、強制的にアルコール製剤を医療機関介護施設へ回してしまえばいいのに、と思わなくもない。

でも自宅で介護・看護している方々にとってはいちいち流水と石鹸で手洗いしたり、刺激臭の強い次亜塩素酸ナトリウムで清拭することを強制するのも忍びない。

アルコール製剤以外のものを流通させる裏付けをする今回の試みは、こうした環境に置かれている方々にとっては必要な配慮なのかもしれない。

 

でも一般国民諸君、君たちは石鹸と布マスクで十分だ。

医療機関不織布マスクを配給する、という意味ではアベノマスクも捨てたもんじゃないんだよ。

 

 

資料3 評価プロトコル

評価候補に上がった消毒方法は9つ、そのうち3つは有効であることが明らかであるため検証不要、3つは医療用であるため検証せず、残り3つが検証すべきとされた。

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検証候補となった消毒方法

次亜塩素酸水の部分だけを抜粋する。

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利用対象、利用方法について

ボトル流通しているものは該当しない、としている。安心した。

生成装置から吐出した液体をそのまま消毒液として利用する、とある。ここも同意だ。

物品はスプレーして乾いた布で拭き取る、とある。これは生成装置から吐出した液体をスプレー容器に入れてすぐに使う、という意味だろう。ここは一般社団法人日本電解水協会の言い分が通ったのかもしれない。

また次亜塩素酸水溶液についての言及もある(オレンジ囲み)。

 

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文献調査の結果

生成後に推奨される使用期限が限定される

噴霧等使用方法によっては効力が十分に発揮されない

→家庭等で一般使用をする際には注意が必要である

とある。

一般家庭に生成装置があれば、の話だが、現実的ではない。

どのような施設での利用を想定しているのだろうか?

 

資料4 検証試験プロトコル

実験方法が記載されている。一部だけ抜粋する。

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実験方法の一部

ウイルス液に次亜塩素酸水を加える、という系である。

噴霧、吹き付けではない。

これは以前のブログで紹介した、ノロウイルスを使った実験系と同様である。

この実験結果で吹き付けてOKと言うことは出来ない。

今後、この点についてはせめぎ合いがあるのかもしれない。注視しなければならない。

 

資料5 第一回委員会での議論

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物品の消毒のみ

使用を想定している状況は「原則として物品に対する消毒のみ」である。

手指衛生ではないことに注意したい。

 

おまけ

 

第4級アンモニウム塩といえば、塩化ベンザルコニウムである。

既に医療用としては、ウェルパスやオスバン、ヂアミトールなどに含有されている。

環境面にはあまり有効ではないはずだが…はたしてどうなることやら。

 

まとめ

これらの資料から、おそらく次亜塩素酸水は家庭での使用が推奨されることはないだろう。

生成装置を設置できる大規模施設や学校等の公共機関での利用を想定しているのかもしれない。

その時儲けるのは生成装置を作っている業者、ということになるのだろう。

その後押しをした経産省にはゴニョゴニョ…

 

アルコール製剤を医療機関へ融通するためには払うべき代償なのだろうか?

 

これが民主主義の欠点でもあるかもしれない、もっと強引でもいいと思うんだけどね。

 

 

追記(2020.05.01)

 

さて、NITEの新型コロナウイルスに対する代替消毒方法の有効性評価に関する検討委員会」であるが、4月30日にFAQを公開した。

www.nite.go.jp

 

気になる点がいくつかあったのでご紹介したい。 

委員会に関すること

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昨日(4月30日)に2回目の会合があったようだ。今日にも資料は出るのだろうか?

待ちましょう。

 

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代替ウイルスの試験結果は5月中旬に出る予定である。

新型コロナウイルスでの試験結果の公表時期は未定である。

この5月中旬の結果、また一人歩きするんだろうな〜(予言)

 

やはり物品に対する消毒で間違いなさそうである(外さずに済んだ☺️)

 

有効性評価の内容について

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「食品等の殺菌用として製造装置が各所に設置されている、電気分解で生成された次亜塩素酸水」が対象であり、「電気分解法で生成される次亜塩素酸水以外の次亜塩素酸水」は対象ではない、と明言されています。

ただまあ、質問に対する答えにはなっていませんが笑

 

この質問も、次亜塩素酸ナトリウムに酸を混ぜて作る次亜塩素酸水溶液を製造・販売する業者がしたんじゃないのかな〜

 

生成装置メーカーが(経産省をゴニョゴニョ…して)次亜塩素酸水溶液業者へ牽制を入れることに成功したようですな。

あまり陰謀論は好きじゃありませんが、ここまではっきり見えちゃうと、もう陰謀とは言えないのかもしれません笑

 

 

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